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【奈良・酒蔵巡り】たった700円で5種飲み比べ!清酒発祥の地で「春鹿」の“超辛口”と幻の“白”に出会う

こんにちは、SAKE HERITAGE代表の成瀬です。

「奈良が日本酒発祥の地である」 この事実を知ったとき、沖縄から移住してきた私は雷に打たれたような衝撃を受けました。しかし、それ以上に驚いたのは、「その歴史的なお酒を、驚くほど手軽に、かつ深く体験できる場所」が、奈良の街中にあるということです。

その場所とは、ならまちにある老舗酒蔵「今西清兵衛商店(春鹿)」

今回は、私が「奈良の日本酒の凄さ」にのめり込むきっかけとなった、この酒蔵の魅力を徹底レポートします。 2025年12月1日に解禁されたばかりの限定酒の情報も含め、大人の社会科見学へご案内します。

ならまちの古い町並みに溶け込む「本物」の風格

近鉄奈良駅から徒歩15分ほど。風情ある「ならまち」の路地を抜けると、立派な日本家屋と、軒先に吊るされた大きな「杉玉(すぎだま)」が現れます。

ここが、明治17年創業の蔵元「春鹿」です。

一歩足を踏み入れると、そこは別世界。 高い天井、黒光りする梁(はり)、そしてふわりと漂うお酒の香り。 観光客向けの施設ではなく、今もなお現役で酒造りが行われている「蔵」の空気感が、肌で感じられます。

2. 衝撃のコスパ!700円で学ぶ「きき酒」体験

春鹿を訪れる最大の目的は、なんといっても「きき酒(テイスティング)」です。

レジで700円を支払うと、専用のきき酒スペースへ案内されます。 ここでは、その時期におすすめの「季節の日本酒5種類」を順に飲み比べできるのです。

ただ飲むだけではありません。ここが「SAKE HERITAGE」として推したいポイント。 酒蔵のスタッフさんが、一杯ごとに丁寧な解説をしてくれるのです。

  • 「これはお米を60%まで磨いたお酒で…」
  • 「このフルーティな香りは酵母によるもので…」
  • 「辛口は喉の奥でキレを感じてください」

試飲には、底に鹿が彫られてある手作りのオリジナルグラスで、(購入可能)で色や香りを確かめながら、スタッフさんの解説を聞く。

知識ゼロで訪れても、飲み終わる頃には「日本酒の味の違い」が語れるようになっているはずです。 純米吟醸や生原酒など、ランクの高いお酒を5杯もしっかり味わえて700円。 「学び」と「ほろ酔い」がセットになった、これ以上ない贅沢な大人の体験です。

『今回味わった5種類はこちら』

① 純米 超辛口 中取り(季節限定)

  • 感想: 看板商品の「超辛口」の中でも、一番バランスの良い「中取り」部分。キリッとしているのに、お米の旨味がすごい!辛口の概念が変わります。

② 純米吟醸 生酒 しぼりばな

  • 感想: 今だけの新酒!フルーティで華やかな香り。名前の通り、花が咲いたような味わいです。

③ 鹿鳴(ろくめい)雄町

  • 感想: 岡山県産の酒米「雄町(おまち)」を使っているそう。ジューシーでふくよか。個人的にはこれが一番好きかも?

④ 純米吟醸 生原酒(210日熟成)

  • 感想: 新酒を氷温でじっくり寝かせたお酒。角が取れてまろやか〜!-5℃が酸化も発酵もしない熟成に最適だったとは!熟成酒の奥深さを700円コースで出してくれるなんて太っ腹すぎます。

⑤ ときめき(スパークリング)

  • 感想: デザートのような甘酸っぱさ!アルコール度数低めで、日本酒が苦手な人でも絶対飲めます。乾杯に最高。

3. 世界を虜にする「超辛口」というアイデンティティ

5種類の飲み比べの中で、必ず味わってほしいのが春鹿の代名詞「純米 超辛口」です。

日本酒は甘いものだと思っていませんか? 春鹿の超辛口は、その常識を覆します。

口に含んだ瞬間は米の旨味を感じますが、次の瞬間、スッと波が引くように消えていく。その「キレ」の良さは、まるで名刀のよう。 海外の日本酒ファンからも「Dry & Crisp(ドライでキレがある)」と絶賛されており、食事の味を邪魔しない食中酒として世界中で愛されています。

4. 歴史だけじゃない。12月解禁の「しろみき」を求めて

「老舗=古いものを守るだけ」ではありません。 今回の訪問の最大の目的は、実はこれでした。

純米吟醸活性生酒「しろみき」

毎年12月頃5月頃とに解禁される、数量限定の濁り酒(にごりざけ)です。 酵母が生きたまま瓶詰めされているため、発泡しており、開栓するとシュワシュワと泡立ちます。

グラスに注ぐと、一般的なシャンパンを凌駕するほどの、きめ細かな力強い泡が勢いよく立ち上がります。瓶内発酵によるこの生命力こそが、『しろみき』の最大の魅力です。

「歴史ある蔵が、こんなフレッシュで挑戦的なお酒を造っている」 このギャップこそが、春鹿がファンを飽きさせない理由でしょう。

あまりの人気に、月の半ばには売り切れてしまうことも多い幻のお酒。 もし冬や初夏に奈良を訪れてこれを見つけたら、迷わず「買い」です。

【動画で見る】しろみきの発泡感と開栓の瞬間

冷蔵庫から取り出し、いざ開栓!

蓋を緩めた瞬間に聞こえる『プシュッ』という音は、酵母が生きて呼吸している証拠です。グラスに注ぐと、まるでシャンパンのようにきめ細かな泡が勢いよく立ち上がりました。口に含むと、濃厚な米の旨味と、爽やかな酸味、そして炭酸ガスが弾ける感覚が同時に味わえます。

5. その味の決め手は「春日山系の湧き水」

なぜ、春鹿のお酒はこれほどまでにクリアで美しいのか。 その秘密は「水」にあります。

春鹿では、世界遺産・春日大社がある「春日山」系の地下湧き水を仕込み水として使用しています。 奈良の自然が育んだ清らかな水が、あの凛とした味わいのベースになっているのです。

まさに、奈良の土地(テロワール)そのものを飲んでいると言っても過言ではありません。

まとめ:奈良観光のスタートはここから

歴史ある建物、美味しいお酒、そして学び。 春鹿は、「清酒発祥の地・奈良」の魅力を五感で体感できる最高のスポットです。

ホテルや駅からも歩いて行ける距離に、これだけの酒蔵があるのは奈良ならでは。 お酒が飲める方はもちろん、飲めない方でもその歴史的建造物を見る価値は十分にあります。

奈良に来たら、まずは春鹿で「本物のSAKE」に触れてみてください。 きっと、あなたの中の日本酒のイメージが変わるはずです。


【SAKE HERITAGE 編集長の一言】 今回購入した「しろみき」、ものすごい強炭酸で開けるのに大変苦労しました。しっかり冷やしてから開栓、が正解のようです。気がはやって、帰宅後すぐに開けました。 (※発泡性が強いので、開栓時は吹きこぼれないよう、ボウルなどを用意してゆっくり開けるのがコツです!)


■ 店舗情報 今西清兵衛商店(春鹿)

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