沖縄に住んでいた私が、「奈良の酒」に人生をかけようと思った理由。
はじめまして。「SAKE HERITAGE」代表の成瀬 海人(なるせ かいと)と申します。 現在は奈良県大和郡山市を拠点に、奈良の日本酒の魅力を世界へ発信する活動をしています。
■ 「よそ者」が見つけた、奈良のダイヤモンド
私は6年前、沖縄県から奈良へ移住してきました。 前職はダイビングインストラクター。沖縄の海で自然と向き合う仕事をしながら、休日は地元の「泡盛」の酒蔵(酒造所)に通い詰める日々を送っていました。造り手の想いや、その土地の歴史が詰まった泡盛の魅力に、どっぷりと浸かっていたのです。
そんな私が奈良に来て、運命を変える出会いをしました。 奈良の銘酒「春鹿」です。
一口飲んだ瞬間、その透明感と奥深さに衝撃を受けました。「こんなに美味しいお酒が、家のすぐ近くで造られているのか」と。 すぐに調べると、そこには「奈良は日本酒(清酒)発祥の地である」という驚くべき歴史的事実がありました。
■ なぜ、世界にアピールしないのか?
しかし、さらに驚いたことがありました。 奈良生まれ奈良育ちの妻や、その家族に興奮気味にこの話をしても、「えっ、そうなの? 知らなかった」という反応だったのです。
「清酒発祥の地」という、世界に誇れる圧倒的なブランドストーリーがあるにもかかわらず、地元の人ですらその事実をあまり認識していない。 これは、あまりにも勿体無いことだと感じました。
もしかすると、ずっと奈良にいる方々にとっては「当たり前」の景色なのかもしれません。しかし、沖縄から来た私の目には、それが「世界中を熱狂させうるダイヤモンドの原石」に映りました。
■ ミッション:奈良を「SAKEの聖地」へ
「この歴史と美味しさを、もっと世界中にアピールしたい」 その強い衝動が、このメディア『SAKE HERITAGE』を立ち上げた理由です。
英語での発信力を活かし、奈良の日本酒を単なる「飲み物」としてではなく、深い歴史背景を持つ「文化体験」として世界へ届けたいと考えています。
私は酒造りのプロではありませんが、「伝えること」への情熱は誰にも負けません。 蔵元の皆様が守り続けてきた伝統と革新の物語を、丁寧に、そして熱く、世界へ橋渡しするお手伝いをさせていただければ幸いです。
SAKE HERITAGE 代表 成瀬 海人